第39話

「あっ、そこの女子たちよ」



そのがっちりした男性は、ふと表情を緩め、私達に話しかけてきた。


…じ、女子って…。



「こいつらさ、キミたちの知り合いだったりした?友達とか恋人とかさ」


「いえ、知らない人です」

「いえ、知らない人です」



璃咲と私は、ほぼ同時に同じ言葉を同じトーンで発した。


こんな時、こんな場面なんだけど、璃咲と私は顔を見合わせてぷくくと笑っちゃった。



「うし、それならいいんだ」



そう言うと再び、スイッチの入った顔になった。



「どう?分かったーーー??んーーーー??」



その二人組の男は、青ざめた顔で何度も何度も大きく

頷いている。

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