我去北京恋愛的留学 〜北京に恋留学に行きます〜

天音 花香

中国に行こう!

 大学二年になり、科が分かれてから話すことがほとんどなくなっていた友人から、突然電話があった。


光里ひかり、中国に語学短期留学しない? 夏休みの一ヶ月だけなの」


 彼女、飯田毬絵まりえの言葉に、私は、


「する!」


 と答えていた。一年生の時にしていた家庭教師のバイトもなくなり、学科の勉強にだけ明け暮れる毎日に私は少し退屈していたのだ。


 初めてパスポートを作った。

 新しく購入したスーツケースは期待と不安でいっぱいになった。

 遠足前日の子供のように眠れなかった私は当日寝坊した。


「遅いよ、光里! もうみんな揃ってるよ!」

「ごめん! 寝坊しちゃって」

「留学先の大学の寮、安いのと高いのがあるみたいだけど、どっちにする?」


 毬絵が訊いてくるのに、


「安い方」


 と即答した。


「安い方は二人部屋なんだよ。私と同室にならない?」

「なる!」


 毬絵は親友まではいかない友人だ。

 それでもよく知らない人と同室になるよりかいいと思った。これを機に仲良くなれるかもしれない。逆は考えないことにした。

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