純分は辛抱
待てなくなっている。
YouTubeの広告が長すぎて、待てない。
これは暗に課金をして、解決をしろということなのだろうが、まだ課金してまで広告を無くすのはなあ……という気持ちが微妙に勝っている。
あとは、展開が待てない。
これが本を読むことが好きな私にとって、まあまあ大きな問題だったりする。
開始20ページ程で何か物語を進める展開がないと読めなくなってきているのだ。
21ページ目に面白いことが書かれていようとも、その先面白いことが確約されていようとも序盤に動きのない物語を読むのが億劫になってきた。
これは私だけでなく、現代病みたいなものなのかもしれないのだろうか?
最近よく売れている作品というのは大抵、物語にスピード感があり、なにせ読みやすい。
もはや私のために書いてくれてるのかと思うほどに(違う、そんなことない)私ナイズされた作品が多く出版されている。誠にありがたい。
しかし、時折、純文学を読みたくなるフェーズがくるのだが、ここでもまた気力がないのだ。ここ数年で何度、夏目漱石の作品を読もうとしたことか、『こころ』『坊ちゃん』『吾輩は猫である』このどれも読み切れていない。
『吾輩は猫である』に限っては全体の10分の1ほどしか読めていない。最初の「吾輩は猫である、名前はまだない」が盛り上がりのピークだった。頭が痛くなってきたのでやめた。
漱石に打ちのめされて、一旦、太宰治を読んでみようと本を開くと、これは案外すらすら手が進んだ。
読んでいる間はやたらと暗くジメジメした質感だが、それが嫌でなければ現代小説のような語り口なので、割かしすんなりと物語に没入できる。
人間失格が好きだった。キノコが生えてきそうな湿度の高さで、ジメジメしている。ちょっと自分と似ているのかもしれないな、と思ったが全然嬉しくなかった。
まあ、何が言いたいかって、特になんにも言うことなどない。夏目漱石はいつまでたっても読めないが、最近の小説は面白くていいねってことだ。
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