第33話

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今まで高くて乗り越えられないと嘆いていた幼なじみの壁は、感情にまかせてしまえば簡単に打ち崩せた。




あぁ、悔しい。



いつかは修一から好きと言わせたかったのに、あたしから言ってしまった。




息があがっても走るのは止めない。




涙が溢れて、ひどい顔になっても走るのは止めない。




道行く人が振り返ったって、



制服が着崩れたって、




どんなになっても走るのは止めなかった。




だって早く一人になりたかった。




一人で、泣きたかったの。




家につくやいなや二階の自室に飛び込み施錠した。




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