第3話

頭の中では話題なんてなくても一言"卒業おめでとうございます"と送ればいいのは分かってるんだけどさ…。



でもそれだけじゃ味気ないよね?とかもっと他にいい言葉ないかな?とかもっとやりとりが続くような話題がいいかな?とか…色々考えてると中々送信ボタンが押せない。



「はぁ…。このままじゃLIMEで先輩と他愛のない会話をして、たまに先輩の発言にキュンキュンしたりするっていう計画が台無しだよ…」



そして、あわよくば仲良くなって春休みにデートとかしたいなぁ~とか思ってたのに。



やっぱり現実は理想ほど甘くない。



あたしはスマホを握りしめたまま力なくベッドにバタンと倒れ込んだ。



きっと今日もまた何も送れないまま一日が終わるんだと思ったその時、スマホが震えた。

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