1・目覚めてここは?

第1話

「ここは…何処!?」


見知らぬ天井が視界に入り慌てて起き上がった。


今、私は知らない部屋で知らないベットの上で寝ていた。


「ココは何処…?」


幸いカーテン見たら朝日が注いでいたから朝になろうとしていて部屋の中が見渡せた。


視界に映るのは見た事無いモノばかり。


恐怖が増していくから落ち着かせる為に愛おしい男性の名前を呼ぶ。


「ロイアン殿下?ロイアン殿下!!」


飲み込めない状況で大きい声を出せずに小さい声で呼んでみるけど反応が無い。


「殿下……」


私はロイアン殿下と結ばれる日で殿下を寝室のベットの上でドキドキしながら待っていた。


「ドキドキしながら…待っていたのに…」


この身を愛おしい男性に捧げられると思って。


私が成人したら抱いてもらえると…思っていたのに!!


ぶち壊されてこの怒りを何処にぶつけたら良いのかしら?と沸々と怒りが湧いて来た。


恐怖と怒りが入り混じってる今の私。


怖いモノ無しと思ってベットから降りた。


「!!」


フトッと視線を感じたら鏡が置いてあり全身を映していた。


「?誰、この人……」


鏡に映るのは私の見た事無い女性。


「誰なのっ!?貴女は!?」


自分の頬を両手で触ったら鏡の中の人物も同じ仕草をする。


「待って…誰なの?」


恐怖と怒りが混じっていたのがなくなり今度は頭が混乱してる。


だって私の髪の毛は茶色で長さは肩より下。


でも、鏡の女性は黒色で長さが背中の中間点。


「本当に…誰なの?貴女は…」


鏡の中の人物は答えない。


「夢なら覚めて…。何処かに私をビックリさせる仕掛けをしてるんでしょ?」


頬に冷たいモノが流れていて涙だと気付いた時には鏡の中の人物も泣いていた。


「…真似しないでよ!!」


鏡の人物にあたりたくなった。


知らない女性が映っていて泣いていて自分が何処にいるかも分からない状況で泣く事しか出来ない…?


「まだ、何か出来るはず!!」


涙を拭いて鏡の中の人物に笑うと同じく笑うからこれが自分だと認識しなくてはいけない事に心が折れそうになる。


「いつでもどんな時でも笑顔でいる事」


この分からない状況だからこそ私の出来る事があると信じて自分の両頬を叩いた。


「…しかし…この服着心地が良いな〜」


恐怖より今は見た事無い服に包まれてクルクル回っていた。


「悲観的に考えるより今は楽観的に考えよう!そしたらきっと助けが来る…」


…助けくるか?


「うん!絶対…?」


うー…んと考えてみたけど、自分を自分で今励まさないと恐怖と悲しみで押し潰されそう。

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