第14話
手紙を濡れないようにズボンのポケットに入れ家に帰った。玄関にある靴からして、家の中には母親とヒカルがいるようだった。
ルイが施設にいる今、母親が家にいる回数が増えた。ルイがいる時は、ルイと二人きりにならないように夜まで父親か海吏君といたから。
それにヒカルも、家にいる時間が増えた。
ルイがいない今、ヒカルは女で遊ぶことをしなくて。
というよりも、ヒカルはルイの彼女が好きらしいから。
家にいない時は友達と遊びに行ってるってことが多い。
奈都…。
ヒカルを選ばない女なんて、本当に腹が立ってくる。見る目がないルイの彼女。
「おかえり」
リビングから、ヒカルが顔を覗かせた。
「ただいま、ヒカル帰ってくるの早くない?」
「今日昼までだったからな」
「ふうん、母さんは?」
声が聞こえないけど。
「シャワー浴びてる」
確かに、浴室の方からシャワーを浴びているような音が聞こえた。
湯船に浸かるのは手伝いがいるけど、シャワーなら1人で大丈夫だから。
傘立てに傘を置き、靴を脱ぎ、濡れてしまった制服から私服に着替えようと階段を上がる。
自室でズボンを脱ごうとした時、さっきの手紙があることに気づき、それを机の上に置いたあと着替えを再開させた。
ラフな格好に着替えたあと、意味の分からない女から貰った意味の分からない手紙の封をあける。
テープも、ノリもついていない封筒は簡単にあけることができて。
イスに腰かけながら、3枚ぐらい入っている手紙を開けば…。
思わず、眉が寄せられるのが分かった。
「なにこれ…」
〝あなたを調べたこと、まず謝らせてください〟
1行目は、そんな文字。
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