第90話

「そんなことないよ」


そう返すだけで精一杯で、多分うまく笑えてなかったと思う


『そう?それならいいけど…めずらしくお兄ちゃんがすぐに出ていったから』


「…忙しいんじゃないの?」


『そう…かな』


納得いかないような表情をする澪香ちゃんに


「そうだよ。それじゃ私も帰るね」


そう言うと逃げるように夏輝の家をあとにした

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