第88話

「陽南、場所は?」


もしかして――


「え…麻耶ん家。夏輝…は?」


そんな思いが駆け巡る




「んー…――実は場所、聞いてないんだ」


――は?



『お兄ちゃん、場所も知らなくて行く気なの?』


「仕方ねーじゃん。聞いてないもんは。電話すりゃわかるだろ」


「……」



なんだ、それ


こっちはもしかして同じ場所かも、なんて勝手にドキドキしちゃったじゃないの……

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