第66話
前田が帰ったあとも、俺は結局未紗に電話できず、ただジッと携帯を見て何度も何度も溜め息を吐いた
前田の言う通り、未紗に電話をするべきか、このままやり過ごすか
どうすればいいのか、迷いに迷った挙げ句―――
気づけば家の前に立っていた
隣の家を見ればリビングの明かりが点いていて、賑やかな声が聞こえる
陽南の姉の風香なのか、酔っぱらったような声が外にまで響いてきていた
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