第50話
それだけで全身が総毛立つ
「…そう…だな。風香ももう二十歳だろ?今年も彼氏なしかよ。確か去年も…」
「そうそう。去年もお姉ちゃん、クリスマスイブの前日に帰ってきてお母さんに“一緒に過ごす彼氏もいないの?”なんて言われてた」
クスクス笑いながら話す陽南の息が何度もかかる
―――ヤバい…。そろそろ離さないと、これ以上は…
抱きしめていた腕の力を一気に緩めた
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