第306話

「マナ、好きだろ?ロイヤルミルクティー」


「うん…ありがと…ぐすっ…」


鼻を何度もすするあたしの隣に腰を下ろしたタクミの手には、もう一つ、炭酸系のジュースの缶が握られている。


数日前の雨の名残か、もうあと1ヶ月もすれば蒸し暑い夏がやって来るであろう5月も終わり頃にもかかわらず、ほんの少しの肌寒さが残る。

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