第286話
男のくせに綺麗な顔をしている。
キリッとした眉も、二重で茶色の瞳も、真っ直ぐな鼻筋も、少し薄いけどキュッと締まった唇も、付き合い始めた頃よりさらに茶色というよりオレンジ色に近くなった髪の色も。
全部が全部、小さな炎に浮かびあがってとても綺麗だった。
ゆらゆらと揺れる炎を見ていたコウキが、ふとあたしに視線を向ける。そうして、
「誕生日、おめでと」
フッと笑みを浮かべて、そう囁く。
「――ありがとう」
嬉しい。ただ単純に嬉しかった。
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