第267話

「いや、実はうちの親も今日は仕事で遅くなるんだわ。だから気にすんな」


そう言ってコウキは目元を細めて、優しく笑うとあたしの頭をポンッと軽く叩いた。


「そうなの?」


コウキの家に連れていってもらえることは単純に嬉しい。


だけど、それって…二人っきり…ってこと…だよね。



そのことに急に意識がいって、心臓がパクパクとあり得ない速さで動き始めた。



頬も紅く染まる。

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