第185話

好きだったはずなのに。


何度浮気されたとしても、離れられなかった。


少しの強引ささえも、あの頃は魅力的に見えた。


だから、「好きだよ」と囁かれただけで有頂天になった。


そんな言葉なんて、口先だけでいくらでも吐ける。


……タクミはそういう男。


それが、半年一緒にいて気づいたこと。


「なんでっ…こんなことっ…」


情けない。


こんな男を好きだったなんて。

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