第177話
頻繁に鳴り始めるメールの着信音。
隠そうとする努力はしているんだろうけど、すべて丸わかりで、
問いただせば、あっさりするくらいに認めて。
「もう二度としないっ」
何度も訊いたセリフを毎回吐く。
嫉妬や不安、だけど諦め。あたしは常にそんな感情に振り回されてきた。
どうして、こんなにされてまであたしはタクトじゃないとダメなんだろう。
何度も思いながら。
だけど、タクトは甘く囁いた。
「一番好きなのは、もちろんマナだよ」
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