第138話

「コ、コウキッ…ど、どうしてっ…」


ナナミの声が震えているのがわかる。


コウキの今の表情は…あの日を思い出させる。


コウキと付き合うと決めたあの日。


初めて知った、コウキの別の顔。


怖いと感じたあの日。


あのときも、それはナナミへと向けられていた。



「…コウ…キ…?」


そんなコウキに気づいたナナミが、今にも消え入りそうな声でもう一度コウキの名前を呼ぶ。


すると、あたしとナナミの間で一旦足を止めたコウキ。

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