第116話

先に視線を逸らしたのは―――コウキの方で。


その横顔はなぜか困ったような表情をしていた。


「…コウキ…?」


あたしが小さく名前を呼ぶと、目線だけを向けてくる。


「……とにかく、明日から朝は一緒に行くからなッ」


そう言ったと同時にもう走り出していた。



「コウキッ!?」


結局、時間聞かずに帰っちゃうし…。


なんなのよ。

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