第37話

瞬間的に強張る顔。


コウキの腕を掴んでいることに気づいて、慌てて離した。


……別に離す必要なんかないのに。


タクミとはもう昨日別れたんだし。


それでも、やっぱりあたしの心はまだ、タクミで溢れてる。


浮気されてからといって、タクミのことを嫌いになったわけじゃないから。



気まずい空気の中で視線を合わせるあたしたちの間に、いきなり影ができた。


「えっ…?」

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