第70話
「……本当にごめん、滝川君。」
花村さんは帰り際に僕に謝ってくる。
「分かってくれたら、それでいいから。」
そう言うしかなかった。
「はるかが滝川君の事で悩んでたの知ってたから……、」
今の花村さんからはさっきの勢いは微塵もなくなっていた。
「でも良かった。」
「え?何が?」
「はるかが本当に実行するとは思わなかったけど。」
「……一体なんの話してるの?」
イマイチ花村さんの話が見えなくて聞き返していると担任に呼ばれる。
「滝川君、担任に呼ばれてたの?」
「あ、うん。進路の話で呼ばれてて。」
「あ、難関医学部だもんね……、」
「いや、僕は医学部にいかないんだけど?」
「……そんなわけないでしょ!?」
いつも彼女の声は大きい。
一難去ってまた一難。
滝川摂、医学部いかないんだってよ、の巻。
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