第61話
翌日、私は昼休みになると隣のクラスにいる滝川君の姿を探す。すると、
「あ、月島さん久しぶり。」
2年の時の都築君が私に声を掛けてきた。
「あ、久しぶり、都築君あの、」
「滝川に用事なんだろ?」
「う、うん。」
「ちょっと待ってて。」
この学校に私と滝川君が付き合っていることを知らない人はいない。
私がこうして滝川君のクラスに来るだけで好奇心の目で見られてしまう。
1年近く経ってもそれはまだ慣れることはない。
「月島さん、滝川は……その、」
「うん?」
「他のやつに聞いたら……、」
都築君は私にとても言いにくそうに、
「さっき女の子に呼ばれたみたいで……」
あ……。
「あ、ありがとう聞いてくれて。」
「月島さん!」
一気に滝川君に会う自信をなくしてしまった。
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