第46話

あの滝川摂に抱きしめられてる私は……、

嬉しいはずなのに、それ以上に押し寄せてくる不安の方が大きかった。


「た、滝川君、苦し……、」

「あ、ごめん」

滝川君は力を緩める。

私は身体が楽になった途端ちょっとフラつくけど彼はそんな私を支えてくれた。


「……彼女いるって。」

「え?あ……、アレはなんていうか。」

「なに?」

「え、月島さん気にしてたの?」

滝川君がちょっとビックリしたような表情をしたから私は理解が出来なかった。


「気にしないって言ったら嘘になるかも……、」

「だって月島さんが……彼女になるんじゃないの?」


「え?」


「え……、て」


私と滝川君の間に微妙な間ができてしまった。

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