第44話

好きになりそうで怖いなんて嘘。


きっともう、あの時滝川君が私の髪に触れた時から好きになっていた。


でも認めたら……、

私は何も手につかなくなる。



「か、帰る。」

私は今精一杯出せる声でそう彼に伝える。

それはあまりにもか細くて伝わったかは自分でも分からなかった。

でもそんなことはもうどうでもよかった。


自分でこの滝川君との終わりを見つけないといけないと思った。


私は教室のドアに向かおうと滝川君の横を通り過ぎようとした。


でも簡単に彼に捕まった。

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