第22話

「おはよ、月島さん。」

月曜日、教室に入ると滝川君に声を掛けられる。

何もなかったみたいに。

「おはよ……、」

結局私だけがドキドキしてただけじゃん。

荷物を机に置くとファイルがあった。

「なに、これ。」

ファイルを手に取り開いてみる。

「あ……、」

そこには苦手な物理を理解しやすいように解釈された問題がいくつもあった。

「それが解けると2年の物理の内容はクリア出来るようにしてあるから。」

「滝川君、ありがとう。助かる。」

私はそう言って思わず彼の腕に触れた。

でも直ぐに離した。

ココは教室。クラスメイトがいる中で彼に変な行動はできない。

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