第20話

日曜日、僕は早めに起きて雑誌と教科書が散乱している部屋でパソコンに集中していた。


「……セツ、おはよう。」

「あ、父さんおはよう。早いね。」

「ちょっと重症の患者がいて。それよりこの部屋どうにかならないか?なんで自分の息子がこんなガサツな……、」

父さんはため息をついた。

「そんな神経質な生活してたら早死にしちゃうよ。」

「まぁいいよ。で、セツは休みなのに7時から起きて何してる?」

父さんは雑誌と教科書で散乱してるフローリングの部屋には物理的に入って来れずドア付近で立ったままだった。

「んー、クラスに物理が苦手な女の子がいてねそりゃもう壊滅的で。だから分かりやすく問題を作ってるんだよね。」

「セツが?誰かのために?」

父さんはちょっとびっくりしたような表情をした。

父さんでもそんな顔するんだと思った。

「そう、その子のために頑張ってるんだ。」

「……感心だね。」

「でしょ?コレを渡したらその子は喜んでくれるかな?」

「まぁ、助かるとは思うけど。」

「ホント?そしたら触っても怒られないよね。」


「え?」

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