第6話

5時限目の物理は滝川君のおかげで無難に乗り切ることが出来た。

6時限まで終わった後帰り支度をしている彼に声を掛けた。

「滝川君、さっきはありがとう。」

私が後ろから声を掛けたせいか滝川君はびっくりしたのか手に持っていた何かを落とす。

ソレは床に落ちる。

私は急いでソレを拾う。手に持ったソレは手紙。

滝川君は手紙を受け取ると、

「どういたしまして。でも頑張らないと、ね?」

そう言われて私は苦笑いした。

「う、うん。」

「じゃあ、また明日。」

滝川君は左手をヒラヒラと振ると教室から出ていった。


いいなぁ、滝川君は何でも出来て。

学校に来るのも憂鬱じゃないんだろうなぁ。

私は毎日が憂鬱……。

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