第56話

全く…どうせこっちにもう来てるだろうに


一気にカーテンを開け、窓も開けた



「夏輝!」


案の定、陽南がベランダに出ていてこっちに渡ろうとしていた


「…何だよ」


「…何って…どこか行ってたの?」


「…寝てた」


「寝てた?――あー…そうなんだ」


ベランダを跨ぎながら、納得した、という顔をした


「よいっしょっと」


勢いよく飛び降りてベッドの上に乗ってきた


「寝てたからメールに気がつかなかったんだね」


そう言いながらテーブルの上に置かれた携帯に目を向けた

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