第31話

『けど、マジで三谷、何だったんだろうな』


スパイクを磨く手を止め、その時のことを思い出すように話す


「こっちが知りてーよ」


ホントに何なんだ?


翔の隣にドカッと座ってグローブを手に取る


少し前屈みになりながら同じく磨いていく


『三谷っていえば…相馬陽南だよなー』


「ソウマヒナ?――…誰それ」


初めて聞く名前だった


『三谷の幼なじみ』


「なんだよ、翔、よく知ってるな」


『いや、けっこう有名じゃないか?いっつも二人でいるのに付き合ってるわけじゃねーって話』

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