第88話

「はな、起きて、」



「う・・ん、あれ・・アタシいつの間にか寝てた、」


滝川君に起こされると自分がソファーの上で眠っていた事に気づく



「勉強してたの?」



滝川君は床に落ちていたテキストを手に取って見る



「うん、もしかしたら午後の試験クリアできるかなって・・・」



「統計学ね、ちょっと書くものある?」




「え、うん? 」



アタシは滝川君にボールペンを渡すと、


彼は問題を解いてゆく




「ち、ちょっとどうして分かるの?」




「向こうの大学は1学年次で統計学は必須でやらされたから、」



アタシは滝川君が記入していく答えを必死で追っていた



すると


アタシは思ったより滝川君に近かったみたいで、ボディソープかシャンプーのいい香りがした



アタシの胸じゃないところが



なんだか



キュウってした




「できたよ?これで合格するんじゃ・・・」



滝川君はアタシの方を向く



「どうかした?」




アタシは身体が固まってしまって


滝川君を見つめてるだけだった

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