第82話

アタシと滝川君は最上階のラウンジで食事をする


窓側のソファーテーブルで店内の照明はキャンドルで照らされて幻想的だった




「あ、ここから滝川君の病院が見える。」



アタシ達が生まれた街はいつの間にか発展していて、夜景の豪華さがそれを物語っていた




「俺は関係ないって言ったろ?でも今度ケアホーム建設するらしいよ?大変だね、」




「まるで人事みたい、」



アタシが笑ってそう言うと、



「人事だよ、俺は俺で生きていいんだから。もし継ぐ事になっていたら・・・」



滝川君はワイングラスを置いて隣に座るアタシを見る


「はなとは結婚は無理だったから。結構病院もここまで大きくなると支援も必要だし、横の繋がりを固めたいから・・そういう結婚とか必要だよね、」



そう言って薄く笑った



そうだ・・・


今思ったけど、滝川君の育った環境とアタシのとでは格が違い過ぎる



「だから俺が捨てたモノの見返りがはななんだよ、きっと。」



そう言われてアタシはなんだかくすぐったい感じが


した

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