第40話

葬儀が終了すると


滝川君が両親と帰ろうとしたアタシを呼び止めた



「あの・・はなさんをお借りしても?」



両親は了承すると先に帰りアタシは滝川君について敷地に入る



喪服は余計に彼を冷淡にみせる



「ちょっと中を散歩してみる?」




「え、あ・・うん。」



庭には散歩出来るだけの庭園が広がっている



滝川君はネクタイを緩めながらため息をついた




「滝川君、親戚の所に行かなくていいの?」




「うん、俺は行かなくていいんだ。」




「・・・そう?」



滝川君はただ庭園に咲いている草花を見ていた



会話が続かない―――



御祖父様の葬儀だから

滝川君も想うところが

あるのだろう・・・



アタシは彼に声を掛けるのは控えた

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