第25話
退社時間になって、アタシがエレベーターを待っていると亨也君が隣に並んだ
「あーあ、昼間のクルミパン食べ損ねた。」
亨也君はパンが入っている茶色の紙袋を持っていた
「はなチャン、昼間の事だけど。」
「・・・滝川先生のこと?」
「え?ああ、違うよ。忘れた?俺が言ったこと。」
エレベーターが開いたからアタシと亨也君はそれに乗った
ほかに乗ってる職員はいなかった
「・・なにか言ってた?」
アタシは一階のボタンを押した
「酷いね、簡単にあしらわれたの?俺にしたらって話、」
「冗談は止めてよ、」
「冗談ぽい?彼女がいるから?」
なんなの・・
昼間からアタシは彼にイライラしていて
その上帰り際にまだ・・
彼との空間に息が詰まりそうだった
「まぁ今の彼女とはあまり上手くいってないし・・俺ははなチャンの方が自分に合ってると思う。」
「か、勝手だね。アタシは・・・」
「滝川先生より俺にしてみたら?」
そう言って亨也君はアタシの手を紙袋を持っていない左手で触れた―――
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