第67話

「はっ、この期に及んでまだ逃亡計画か」


ー"面白い"


私を押し倒している、赤い髪の切れ目が本格的に欲を帯びたものへ変わってくる



骨ばったこの男の片方の手は私の腰をしっかりと掴み、反対の手で私の内股へと滑らせてきた。


直接的に肌へと触れられるその感触に対する不快感からか、私はキュッ、と眉間に皺を寄せ耐える。



こんな日に限ってショートパンなんて、失敗したな


触ってくれと言ってるような格好じゃないか



奴はもう一度私の胸元へと唇を吸い付かせ、


刺激とともにチクリ、とそんな痛みが再度感じる





「運がなかったと思えよ。恨むなら神を恨め」



そんな言葉を合図に、私の腰を掴んでいた手の力がグッと更に強くなった気がした。




ーー…恨 む な ら 神 を 恨 め


神などもうとっくの昔に恨むだけ恨んだ


だから、こんなの神を恨みすぎたその仕返しだと思えばいいだけ


ここ最近ずっと、こういった危険な場所や場面から遠ざかりすぎていて頭も身体も訛っていた自分が悪い



だから、もう。


いいから、早く終わらせて欲しかった。

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