第57話

「…っ、」


重たい瞼をゆっくり開ければ、



ぼんやりとした視界が徐々にクリアになっていく。



まだ十分に働かない頭を動かし、グルりと当たりを見回してみる。





コンクリート剥き出しの一室に、


あるのは事務用テーブルとキャスター付きの椅子、幾つかのキャビネットがあるだけ



それはまるでどこかの事務室のようだった



そして、私は両手両足を縛られた状態でソファに座らせられている。



身動きひとつも取れない


そんな自分の姿で、何があったかを一気に思い出すことが出来た。



そうだ、私


タケル達を助けようとして、第三コンテナ倉庫に乗り込んで、赤髪の男に追われて




それで、油断した

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る