第40話
『つばき、あの』
『さっき電話くれてたろ。悪ぃな、出れなくて。
それで、お前何処にいる?なんかあったか?』
そして、焦りと同時に奴の声は優しく、不覚にもこんな状況だからか私は安心を覚えた。
『椿、いま私ー……っ?!』
"タケル達の所にいる"
その続きが言えなかった。
『おい、里奈子?どうしたよ、なにか返事しろ』
そんな椿の声を最後に、
ープツリ。
私じゃない、誰かの手によって通話の終了ボタンが押された。
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