第85話

謎の藍の説教を受けていれば、「りなちゃん〜!!!行ってきたよ〜!」と復活したらしい陽向の声が聞こえてくる。



そう言えば、波玖と陽向がどこか行ってた。


どうやら、さっきの罰として波玖と次いでに陽向が買い物に行ってこいとのNO.2からのご達しがあったそう。



「はい、りなちゃん。これどうぞ」


差し出されたものを、恐る恐る受け取る。


カップ越しからでもわかるひんやりとした感触。



ふんわりと山になった白い結晶がキラキラと輝いている。



その上には赤の液体が思う存分にかかっているもの。



なんだ、これは。


どうしていいのか分からず、首を傾げ陽向を見れば、


ふにゃりといつものように可愛らしく笑う陽向。



ささっていたスプーンでソレを少しだけすくい取れば、


「りなちゃん、かき氷だよ〜」


と私の口元へと持ってきた。


氷なのか、これは。


カップの氷とスプーンの上にある氷を2、3回交互に見たあと、陽向に持ってもらったまま、私はそっと口をつけてみる。

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