第92話

波玖の透き通るホワイトブリーチの髪は今日も綺麗。


「おいで、アンタここ座りな」


藍の隣を指定された私はそこに座り、波玖からお茶を受け取る。


口は悪いが、最初の頃よりは柔らかい表情を私に見せてくれるようになった波玖。


波玖は、蘭高の1年らしい。

亜貴と陽向は2年、そして藍と椿は3年だとこの前陽向が教えてくれた。



波玖も陽向も亜貴もそれなりに他の面子より喧嘩も統率力も頭のキレの良さも上なわけで、


総長の藍、

副総長の椿、

参謀には亜貴、

そして情報屋の波玖、

意外にも特攻隊長は陽向だという。


あまり表立っては姿を見せないらしい、NiGHTSの総長と副総長、そして幹部陣。


奴らにどれだけの地位と脅威があるのかは、私には知りもしない。


「なんじゃ、陽向。珍しく勉強かい」


ガラステーブルに数学の教科書とノートをひろげ、唸るように睨み合いをしている、ハニーベージュの髪が映る。

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