06.

第48話

「行くぞ」


あの集団が見えなくなった時、


私の左隣に立っていたキングは私の手を掴む。



「…どこに」


私の声はまるで聞こえなかったかのようにフルシカトを決め込むキングは、半ば強制的に私を引っ張りながら裏門の方へ歩き出す。



「ちょっと、キング」

あ。

思わず、心の中でNO.1の事をそう呼んでる呼び名を口に出してしまった。

その呼び方嫌なんだっけか、あんた。

ずんずん進めてた足をピタリと止め、振り向くキング。

「違ぇ」

綺麗な口をへの字に不貞腐れた表情で私を見る。

なに、俺はキングじゃないって言いたいのか。


「あっそ」


「…藍」


興味ない為ふいっとキングから視線を逸らす私と、ボソッとそう呟くキング


「らん?」


「あぁ。五十嵐 藍だ」



キングの言葉を反復させた私に、再度そう強く言う。


あぁ、あんたの名前ね。



全日制で、関東最大連合軍の頂点にあるNiGHTSってチームの総長という地位に立つ男、


目の前にいる一等級の綺麗な男は、

五十嵐 藍(いがらし らん) って名前らしい。

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