第46話

スっと身体が軽くなる。

「お前、話がある」

どうやらキングから解放されたみたいだ。

そんなキングは、NO.2とは反対側に立ち私に話しかける。


「なに」

「ここじゃ言えねぇ話だ」

「そうですか」


また昨日と同様に面倒くさい事が起きそうな予感がする。

キングと淡々と会話していると、


集団の中の一人、赤髪の男が私達の前に姿を出す。



「なぁ、五十嵐。そこの女、欲しいっていったらどうする」


試すような言葉。

ニヤっと笑う赤髪の男はどうにもやはり気味が悪い。


「やれねぇな」

売り言葉に買い言葉だ。

無表情を決め込むキングは憎たらしい程に綺麗である。


「その女を庇うんだな」

「あぁ」



それが決定打となったのか、「へぇ。なら、楽しませてくれよ」そう言って赤髪を筆頭にこの場から去って行った。

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