第8話

そして結局、俺達は詩歌抜きで上京することになった



事務所に詩歌のことを話して、何度か水本さんも説得してくれたけれど


俺達にはわかっていた。詩歌はきっと首を縦には振らないって


話し合った結果、もともと俺がメインボーカルだったこともあり、俺がボーカルをすることが決まった



同時にこっちの高校は中退して、東京の事務所の寮から新しい高校に通うことも決まった




そして―――――



いよいよ上京する日




「デビュー決まったら教えてや。応援しとるけーね」


「おお!当たり前っちゃ」


たくさんの見送りの中にはもちろん、詩歌もいた



「みんな、頑張ってな。うちの分も」



「お、おぅ…。詩歌も…連絡くれや」

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