第84話
―――――……
数日後、大学でチカに会った。
さすがにちょっと身体が強張る。
「みお……ゴメン。」
チカはアタシに頭を下げる。
「どんなに言っても言い訳にしかならない事は分かってる。だけど俺は……、」
「チカ……朝生君。」
アタシがそう呼ぶとチカはアタシと視線を合わせる。
「アタシ……朝生君が好きだったよ。」
「みおっ……」
「だけど、朝生君よりも傍にいたいと思う人が出来たの。だから、もう行くね?」
「……早瀬の所に?」
チカの瞳が微かに揺れたように見えた――――。
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