第74話

拓実君はそう言いながらアタシが出したタオルケットを受け取る。



「拓実君?」



「ゴメン、ちょっと意地悪言いたくなった。」



彼はそれを広げるとソファーに座る。


そこはいつもチカが使っていた場所。



「もう眠って?悪いけど部屋を出る時、電気消してくれるかな?」



「あ……う、うん。」



アタシの中で羞恥心が溢れる。


拓実君が言った泊めての意味は……、


アタシと……という意味ではなかった。

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