第44話

アタシは拓実君に手を引かれて歩いていた。


結構交通量の多い所で行き交う車のライトが眩しかった。


もうそんな時間なんだ…。


拓実君といると時間が早く進んでいる気がする。


アタシはそんなに彼に夢中になっているのだと思うと握られた手が熱を帯びてくる。



拓実君の身体の何処かに触れると頭で考えるより先にアタシは……。




「朝生がこんな所見たら俺殴られるかも。」



「…拓実君はチカが気になるの?」



「なるよ、朝生の大切なヒトを奪うんだから。」



……大切なヒト?


アタシがチカの?



アタシは思わず立ち止まってしまった。

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