第14話

「え?」


アタシはチカに聞き返す。


チカは台所に立つ。



「誰が来た?って聞いてるの。」



そう言いながらチカは流しに伏せているマグカップに触れた。

それは昼間に拓実君に出したカップだった。



「あ…それは、拓実君が、」



「拓実って早瀬が此処に来たの?どうして?」



チカも拓実君の事は知っている。

だけど知り合い程度で二人はそれほど仲が良いわけではない。



「どうしてって今日の講義のノートを借りに来ただけだよ、何言ってんの。」



アタシはノートパソコンを起動させる。

もうそろそろレポート提出の期限が近づいていたから。

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