第77話
花火が終わる―――
真っ暗の教室にお互いの息遣いだけが響いた。
彼女は起き上がろうとする
「待って、そのままでいて。」
俺は彼女から離れて教室に備え付けの水道でハンカチを濡らした
きっと出血してる
「たっ滝川君!自分で出来るからっ・・」
「・・いいから。黙ってて」
彼女はそのまま何も言わずに、俺が拭き終わるのを待っていた。
なぜかその時の俺は
彼女の身体に申し訳ない気持ちがあるのに
心はスッキリしていて、
このアンバランスな自分に少し驚いていた。
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