第44話

「・・・馬鹿みたいだ。」


静かな寝室に滝川君の声が響く。


外も暗くなってリビングからの明かりが寝室に入っていた。



「・・・ごめんなさい。」


「それ何の謝罪?」



彼はベッドに横になったままでアタシに尋ねる。



「えと・・・いろいろ勘違いして。」




「勘違いって?」



「・・・だから、セフレとか言ったり、セックス好きとか・・」



ああ~なんか卑猥ちっくな言葉をアタシは滝川君に向かって言ってる・・・かなり侮辱してるな。



「好きって言ってくれたのに気づかなくて・・ごめんなさい。」



滝川君はゆっくり起き上がる。




「最後の“ごめんなさい”って・・・」



「え?」



なんか、アタシ背中に冷や汗が出てきた?

まともに彼を見れない。



「もう俺には望みもないって事だね?」



やばい。

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