第41話

アタシは寝室をノックする。

中から「なに?」って彼の声がする。




「あの、アタシもう帰るね?」



そう伝えたら寝室のドアが開く。



え?

これは・・・入れって意味?



滝川君はベッドに腰掛けて腕時計をナイトテーブルに置く。そしてネクタイを外してシャツのボタンを二つ外した。



なんかその仕草がやらしい映画のワンシーンみたいでドキドキした。

きっと夕日も落ちてきて、ちょっと薄暗くなってきたせいもあるかと・・・




「それはどういう目で見てる?」



「え?」



「俺を軽蔑してる目?それとも、」



「ああ、とても綺麗だなって、」




「・・綺麗?誰が、」



・・彼は自覚がないのか、それとも知ってて言ってるのか。




「滝川君の仕草が・・・」


滝川君がドアが開いたままの入口で立っているアタシの所まで来る。




「・・・そうやって、俺を遠い所から見物してたんだ。」



え?言ってることがよく分からないけど。



「・・澄田さんは俺を好き?」



えっ・・・!?



突然なにを言い出すのこの人!!

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