第91話

「……聖君…ごめん…」


「ま、いいんじゃねぇの?ゆっくり休め」


聖君はそれだけ言うとまたドアの向こうに消えていった。


「じゃ、行こうか」


「あ、カレンは次の授業出て?あたしは…大丈夫…だから」


「ね?」とできるだけ明るい声で、なかなか上がらない頬を無理やり持ち上げて笑った。


「なに言ってんの。あたしは担任に直々に頼まれたんだからね!付き添えって」


そう言ってあたしの腕をとると、そのまま実験室のドアを開けて廊下に出た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る