第58話
「……それ、は」
言葉に詰まるコウキ。
そんな曖昧なコウキの態度に、簡単に緩む涙腺。
もうそれは決壊寸前で、見つめ続ける自分の黒い革靴がゆらゆらと揺れて滲んでいく。
そこにポツと一つの染みができた。
それはポツポツと次から次へ、一つ二つと増えていって。
それが自分の頬を流れては落ちていく涙の雫だと気づいたときには、あたしはまたタクミの腕の中にいた。
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