第48話

なに言ってんだ?コイツ。

そう言いたげにあたしに視線を寄越したコウキに、あたしはだけどなにも言わなかった。


フッとコウキから視線を横に逸らす。


「…マ、ナ?」


コウキの声で呼ばれる自分の名前が切なく響く。


不意に肩が軽くなる。


伏せ気味だった顔をあげると、タクミが肩に回していた腕を離して言った。


「……なぁんてな」

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